更新日時:2020年6月21日
行政書士 佐久間毅
国際カップルにとって本当の難関は国際結婚手続きではなく配偶者ビザ。
東京のアルファサポート行政書士事務所が日本の配偶者ビザについてナビゲートします!
国際結婚は、お二人の書類さえきちんと集まれば成立する届出制ですが、配偶者ビザ(正式には、在留資格「日本人の配偶者等」)は、法律上婚姻関係が成立してれば当然にもらえるというものではありません。
日本の最高裁判所は、平成14年10月17日にこの点について判示していて、「日本人の配偶者等」の在留資格で日本に在留するためには、単に日本人配偶者との間に法律上有効な婚姻関係があるだけでは足りない、としています。
これまで、アルファサポート行政書士事務所では、多くの外国人配偶者の方の配偶者ビザ取得をお手伝いして来ました。
なかには、御自身で申請されて不許可となってしまい、慌てて弊事務所へお越し頂く方もいらっしゃいます。
・身元保証人の方の収入が少ない
・身元保証人が非正規雇用である
・お見合い結婚である
・家族の方に結婚を話していない
・離婚歴がある
・お付き合い開始時に法律上の妻が別にいた
・年齢差が大きい
・交際期間が短い
・これまでのビザの期限が切れる直前の結婚である(駆け込み婚)
・交際期間はそれなりにあるが、遠距離の期間が長く対面での交際が少ない
・インターネット上で知り合い対面での交際が短い
・税金を支払っていない
弊事務所の経験上、これらに該当される方は、特に慎重な申請が必要です。
また理不尽なことではありますが、先進国出身のお相手よりも途上国出身のお相手の申請のほうがより慎重になる必要があります。
ビザ(査証)とは、在外公館に駐在する領事が、日本に入国を希望する外国人のパスポートが有効であることを確認したことを証するため、また、当該外国人の日本入国・滞在を推薦する目的のために、当該外国人の保有するパスポートに貼付する証票を言います。
ビザ(査証)は、その外国人が保有するパスポート(旅券)が、確かにその外国人の本国政府によって適法に発給された有効なものであることを、日本の在外公館の日本領事が確認したことを証明する確認書の意味を有しています。
また、外国人が日本へ入国し、滞在することが適当であると在外公館の日本領事が判断したことを証明する「推薦状」の意味を持っています。
まず、外国人が保有するパスポートの有効性は、その国に駐在する領事が適切に判断することができるため、領事にその確認書たる査証(ビザ)の発給権限が与えられています。
また、その外国人の日本の国外における素行は、日本の役所よりも、その国に駐在する領事の方がより適格に判断することができることから、領事が推薦状たるビザ(査証)を発給することとなっています。
はい、通常は特に区別することなく使用していますが、厳密に言えば別物です。
ビザは、日本の在外公館に於いて日本外務省の職員たる領事が発給します。
これに対し、在留資格は、外国人が日本に上陸する空港や海港において、日本法務省の職員たる入国審査官が付与します。
日本に滞在(在留)する外国人が保有しなければならない資格のことで、この資格をもたずに日本に在留することはできません。
在留資格は、日本に入国する際、入国審査官から与えられる資格です。
入国管理法は、27種類の在留資格を定めていますが、その中のひとつに、在留資格「日本人の配偶者等」があり、この資格を保有する外国人は、日本国内で日本人の配偶者として生活することができます。
日本において、「配偶者ビザ」は法律上の用語ではありません。
在留資格「日本人の配偶者等」を「配偶者ビザ」と俗称しているに過ぎず、例えば配偶者ビザの更新は、入管法上の「在留期間の更新」を意味します。
いくつかの例外を除いて、日本に入国を希望する外国人は二段構えの審査をクリアする必要があります。
一つ目の関門は、日本の国外に於いて、その国に赴任している日本の領事にる審査です。この審査に合格すると、ビザ(査証)が発給されます。この時の審査では主に、その外国人の日本国外での素行がチェックされます。
ビザを取得した外国人は、飛行機や船舶に乗って日本の空港や海港にやってきます。その時に二度目の審査を受けます。審査をするのは入国審査官と呼ばれる人で、その人を日本に入国させても良いものか上陸条件(在留資格該当性と上陸基準適合性)に基づいて審査します。
空港や海港に到着した外国人に対し、在留資格該当性と上陸基準適合性を短時間で審査することはできません。そこで、あらかじめ外国人が国外にいる間にこの在留資格該当性と上陸基準適合性をチェックする仕組みが、在留資格認定証明書交付制度です。
本来、空港や海港で時間をかけておこなうべき審査を事前に済ませてしまうので、空港や海港で外国人を審査のために長時間拘束する必要がなくなります。
近年、弊事務所にもちこまれる配偶者ビザの不許可案件で増加傾向にあるのが、マッチドットコムなどのインターネット上の婚活サイトでお知り合いになり、短時間のうちにご結婚に至られたケースです。
弊事務所では、これまで多くのインターネット上で知合われた国際カップルの配偶者ビザを取得しておりますので、インターネットで知り合ったから、配偶者ビザが下りない、というわけではありません。
しかしながら、マッチドットコムなどの婚活サイトは、もともとが結婚相手を求めていらっしゃる方々の出会いの場であるだけに、知り合ってからご結婚までがとてもスピーディーであり、その点が配偶者ビザの婚姻の真実性の立証の妨げになっている側面がありますので注意が必要です。
行政書士 佐久間毅(さくま・たけし)
東京都出身。慶應義塾志木高等学校、慶應義塾大学法学部卒。高校在学中に米国コロラド州のイートンでホームステイ。大学在学中は、他大学である上智大学の国際法の権威、故・山本草二教授の授業に通い詰める。大学卒業後は民間の金融機関で8年間を過ごし、現在は東京・六本木でビザ専門のアルファサポート・行政書士事務所を開業。専門は入管法、国籍法。